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ゲームの感想を中心にいろいろ書きます。

ペルソナの沼にはまりに来い:「ペルソナ5 THE ROYAL(P5R)」レビュー ネタバレ無し

面白いゲームってなんだろう、という答えのない問いを考えるときがあります。画質のいいゲーム?戦略性があるゲーム?それともキャラクターが魅力的なゲームでしょうか。その答えは千差万別でどれが正しいかについて論じると戦争が始まるのでやめておきますが、個人的にはその答えが「ゲームの持つ奥深さ」であるように思うのです。

たとえば対戦ゲームなら脳ミソを回転させて次の動きを考えたり、戦略を練ったりできる奥深さ。RPGならどこまでの自由度があるのかという奥深さ。ストーリーがあるゲームなら、そのシナリオや世界観がどのくらいプレイヤーの考察や想像に耐えうるのか、という奥深さ。そういう奥深さを持っているゲームを私は心から面白いと感じるんですよね。

そして、ここ最近プレイしたものの中でそういった奥深さを一番感じさせてくれたゲームが、「ペルソナ5ザ・ロイヤル」なのです。

私は今まで全然メガテン関連のゲームに触れたこともなかったため、正直このゲームに自分がはまれるかどうかどこか不安だったのだけれど、全くの杞憂に終わった。いやー、面白いんですよこのゲーム。普段あんまりやらない2周目まで楽しんでプレイできました。

このゲームは先に言った「奥深さ」がすごいのです。スタイリッシュなデザイン、シンプルかつ爽快な戦闘システム、豊富なミニゲーム要素、引き込まれるストーリー、そのストーリーをさらに奥深くするキャラごとのエピソード。それがプレイヤーの心を強く掴んで離しません。最後までプレイした頃には、すでにこのゲームに心を盗まれていることでしょう。

以下、細かなレビューに移っていきます。 

工夫が凝らされたデザイン回り
まず、めちゃくちゃにスタイリッシュなデザイン周りがペルソナ5の世界観からプレイヤーを離さない。メインメニューは赤と黒を基調としていて、おしゃれさとわかりやすさを両立したUIがとっても素敵。そしてキャラクターが動くこと動くこと。それでいて整理されて見にくくない。どれをとっても素敵。

 退屈しないワンモア・プレス式のコマンドバトル
いわゆるJRPGの伝統でもあるターン制のコマンドバトルはその形式から好みは別れやすい、ということは事実としてあると言っていいでしょう。今Google検索で「コマンドバトル」と打ったら、予想検索欄の4番目に「つまらない」と出てきました。私も正直言ってあんまり好きじゃないです。アクションゲームのバトルなどに比べると派手ではないし見劣りするのに加え、自分が操作してる感もあまりない。退屈になってしまいがちなバトル形式だと個人的には感じています(あくまで個人の意見)。

しかしこのワンモアプレス制はそんな退屈なターンバトルに花を添えてくれるものです。システム自体は単純で、相手の弱点属性を突いた攻撃or状態異常の敵に対してその状態異常に有効な攻撃をする(例えば眠らせた敵に物理攻撃を与えるなど)をすると敵がダウンし、その隙を突いてもう1ターン行動(1moreという)できるというのが基本なのですが、これがま~~~あ面白い。

相手の弱点を突きまくればずっと行動できるのに加えて、敵を全員ダウンさせると強力な「総攻撃」ができるので、戦闘がテンポよく進む。(ちなみにこの総攻撃で敵を倒すとキャラごとの演出が入る。かっこいい)また、敵もこの1moreを利用してくるので、気を抜いてると敵に一気に倒される。バトルの難しさのバランスとしては適度にプレイヤーに考えさせるようなちょうどいいもの。すごく楽しい。

奥深いストーリー
ゲーム全体としては陽性な雰囲気だけど、一方でストーリーはまあまあ重めで社会派なもの。
主人公たち「心の怪盗団」は、社会の中の悪人や理不尽の犠牲となった高校生たち。彼らは偶然か必然か、そんな悪人たちの歪んだ心理世界に潜り込む力を得ます。悪人たちの心を「改心」させるために、歪んだ心理世界の核である「オタカラ」を盗みだす、というのがストーリーの大筋です。
このストーリーの魅力は何といっても自分たちの信じる正義を貫く主人公たち。苦しむ人々を救うため、自分のいいように好き勝手にふるまう悪人たちを成敗していく姿はまさに「義賊」です。悪人とはいえ他人の心を変えるのは許されるべきことではないのかもしれない、自分たちのやっていることは人々から望まれないことなのかもしれない、というように自分たちの正義の在り方に葛藤するときもありますが、間違ったやり方だと理解しながらそれでも、彼らは自らの正義を信じてあえて「怪盗」であることを選び取るのです。かっこいい。

ストーリーの奥深さをさらに深めるキャラごとのエピソード
怪盗行為をしていないときには怪盗団のみんなや主人公の協力者とのエピソードが進められるのですが、これがとてもいいのです。まず、キャラデザインがまーあいいこといいこと。みんな魅力的です。一人は好きなキャラが見つかるはず。また、エピソードの質自体も良い。協力者たらもまた世の中の理不尽や、悪の被害を受けてきた人たちで、そんな彼らが主人公と出会うことで生き方を変えていく、というストーリー。もともと魅力的なキャラクターの人間性とか、成長とかが感じられて非常にいい。また、これが「社会への反逆」というメインストーリーのテーマを深めてくれている、という部分もあり、ゲームの奥深さに貢献しています。

まとめ ペルソナのススメ
最初にも言いましたが、私には今作に触れるまでメガテンシリーズというのは初見だとなかなかプレイしづらいイメージがありました。どこかダークな独特の雰囲気や、かなり長くシリーズが続いてることもあって、今から入るのもなぁ…という気持ちになっていたのだと思います。しかしそんな不安をよそにペルソナ5は私をペルソナ沼にはまらせてくれました。本当にいいゲームです。だからこそ、メガテンシリーズに手を出したいけどなかなか手が出ないあなたにも、今までメガテンシリーズを知らなかったあなたにも言いたいのです。
ペルソナはいいぞ!!!!!みんなやろう!!!!!